初めての ConTeXt Mark IV
ConTeXt (配布元:PRAGMA ADE web page: text)は、TeX 組版システム上の文書表現系の 1 つです。同様なものとしては、LaTeX がよく知られています。
ConTeXt Mark IV は、ConTeXt 文章を LuaTeX エンジンで組版します*1。組版するコマンドは、context を使います。
$ context [filename]
さっそく、日本語を含む ConTeXt 文章を ConTeXt MkIV で組版できるか試してみました。
手元に TeX Live 2011 を準備して、以下の内容を test.tex で保存します。
%#!context test \usemodule[simplefonts] \setmainfont[hiraginominchopronw3] \setsansfont[hiraginokakugothicpronw6] \setmonofont[hiraginokakugothicpronw3] \mainlanguage[ja] \language[ja] \starttext Hello, \TeX{} World! はじめてのCon\TeX{}tで日本語組版。 \stoptext
simplefonts は、Wolfgang Schuster 氏によって書かれたモジュールで、ConTeXt Mark IV でフォントを使うときの簡単なインターフェースを提供します。これは、XeLaTeX に対する fontspec パッケージに似たモジュールです。
\setmainfont, \setsansfont, \setmonofont には、それぞれ serif, sans, mono 書体を通常指定します。上記サンプルは、ヒラギノフォントを指定した場合の一例です。指定するフォント名は、「$ mtxrun --script fonts --list --all --patern='*'」から調べられます。たとえば、IPA フォントを探したい場合は、以下のようにします。
$ mtxrun --script fonts --list --all --patern='*' | grep ipa ipaexgothic ipaexgothic ipaexg.ttf ipaexgothicnormal ipaexgothic ipaexg.ttf ipaexmincho ipaexmincho ipaexm.ttf ipaexminchonormal ipaexmincho ipaexm.ttf ipagothic ipagothic ipag.ttf ipagothicnormal ipagothic ipag.ttf ipamincho ipamincho ipam.ttf ipaminchonormal ipamincho ipam.ttf omegaserifipa omegaserifipa omseip.afm omegaserifipamedium omegaserifipa omseip.afm
$ context test を実行することで、test.pdf が得られます。
と、今日はここまで :)
実は、とある翻訳したい TeX 文章が ConTeXt MkIV で記述されていて、どうにかしたいと思って、ConTeXt MkIV を簡単に触ってみました。上記サンプルでは、もちろん和文フォントと欧文フォントを分けて組版していません。rangeを指定するなど、さらなる改善が必要です。
今回、ConTeXt Mark IV に触れるにあたり、ConTeXt garden http://contextgarden.net/ を大いに参照しました。ここには、ConTeXt に関する情報が十分に集まっております。
さてー、「はじめての ConTeXt MkIV」の次は何を書くか…。po4aで「po4a-gettextize -f context」ってか :)
[追記 2012-04-16]日本語が行分割できる
ZR さんから [id:zrbabbler:20120416:1334595982] を教えていただいた。
\setscript[hanzi]
結論!?:角藤さんのエスパー力はすごい! :)